たぬきちのデパート

別に、テストがあってもどうせ「やばさ自慢」するだけだし、

要領よく勉強して点数を上げる必要もなく、

何のプレッシャーも感じずにひたすら「勉強」した。

リプトンのミルクティーが美味しかった。

 

次の、定期テストで。

学年125人中123位だった私の順位は、58位まで上がった。

その時の感覚は、

まるで動物の森+(任天堂ゲームキューブ)でたぬきちの商店が進化してたぬきちデパートになったような。

もっとわかりやすく言えば、バナナの皮で滑りつつもマリオカートで一位になったときのような。(わかりにくいか笑)

正直気持ちよかった。順位が上がるって、なんて、楽しいんだ。

いわばゲーム感覚だった。

 

そのときから、リプトンのミルクティーはしばらく忘れ去られ、

「順位を上げること」が私の原動力になって、ある程度しっかり、勉強するようになった。

 

次の定期テスト、18位。鳥肌が立った。

 

その時から、友達が通っているという理由だけで私も通っていた塾の先生に進められ、県内で3番目に偏差値の高い公立高校を目指すようになった。

 

中学三年生、気が付くと私は、自分でも想像がつかないほど「いわゆる受験生」になっていた。